非嫡出子

精巣“移植” 倫理的課題も 産経新聞 2011/02/22 05:00

非嫡出子
「戸籍がない状態を目の当たりにして、子供の存在も否定されている感じがする」。昨年12月、東京・永田町で開かれた記者会見。性別変更した関東在住の男性は言葉を詰まらせた。
男性夫妻には昨年、AIDでもうけた乳児がおり、嫡出子として出生届を出そうとしたが受理されなかった。会見には同じ境遇で子供が無戸籍となっている大阪府の会社員、前田良(28)と、あの神奈川県の夫婦の姿もあった。
民法772条には「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」と書かれており、夫婦の間に生まれた子供は嫡出子と認定される。法務省によると、772条はAIDによる出産を想定していないが、出生届を受ける窓口ではAIDによる出産か確認できず、嫡出子としての届け出が受理されるのが一般的だ。
しかし、性別変更した男性が夫の場合は戸籍の記載で性別変更が分かるため、「夫の子でないことが明らかであり、今の法制では非嫡出子として受理する」(法務省担当者)という。
「改善に取り組む」。平成22年1月、当時の法相、千葉景子は明言した。だが法務省は現在、「厚生労働省がAIDを含む生殖補助医療に関するガイドラインを定めた後、親子関係の法制に関する検討が進められる」との立場だ。
げたを預けられた格好の厚労省は「生殖補助医療に関する法規制は行政機関ではなく、国会で議論されるべきだ」と主張。両省の主張はかみ合わず、無戸籍児への対応は棚上げ状態だ。
この状況下、神奈川県の夫婦は子供を嫡出子として届け出るつもりだが、受理される見込みは低い。「AIDで生まれたほかの子供と平等に扱ってほしい」

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